新型コロナウイルス感染症の後遺症の有病率は12.7%!

後遺症2022年8月6日号のLancet誌に、オランダの大学が2020年3月~2021年8月まで1年以上にわたって合計24回も実施したオンライン調査の結果をまとめ、新型コロナウイルス感染症の後遺症有病率が1割以上にもなるという結果が掲載されました。

こちらのページでは、上記についての詳しい情報について紹介していきます。

今回Lancet誌に掲載された情報とは?

ランセット新型コロナウイルス感染症の後遺症に関する研究データはこれまでさまざまな箇所で取られていましたが、基本的には、入院患者を対象したものであり新型コロナウイルス感染症の発症前から出ていた症状などは考慮されていませんでした。
しかし、今回掲載された情報は、感染前の症状などを除外したデータを分析したものとなっているため、より正確なデータであると期待されています。

こちらのデータには、オランダの大学が行ったオンライン調査に参加した7万6422人の回答データから得られた結果が掲載されています。

コロナ診断前と比べて多くなった後遺症は?

オンライン調査の回答データから得られた情報で、コロナ診断前と比べて後遺症として多くなった症状に

・心肺症状(呼吸困難、呼吸時の痛みなど)
・知覚症状(味覚障害、嗅覚障害など)
・筋骨格症状(筋痛など)
・全身症状(倦怠感、腕や足が重いなど)

といったものがありました。

逆に

・頭痛
・めまい
・腰痛
・悪心

といった症状は、診断前後で大きく数字が変わることはありませんでした。

また、後遺症の種類によっては男性女性でも発生率に違いがあったというデータが出ています。

症状別コロナ診断前後での重症度の変化

新型コロナウイルス感染症の後遺症としてあらわれたとされる症状の中でも、診断前と比べて診断後に症状が悪化したものを比較すると

・知覚症状:0.4%と7.6%
・呼吸困難:0.5%と2.4%
・胸の痛み:0.6%と2.4%
・腕や足が重い:1.6%と4.2%
・倦怠感:2.1%と4.9%

といった結果になっています。上記の結果は一部であり他の症状についても比較はされています。
そして、これらの症状があらわれたのは新型コロナウイルス感染症に感染した方の11%程となっています。

また、主要な10種の症状に限定した場合、新型コロナウイルス感染症に感染した方の12.7%に後遺症があらわれているという結果となりました。

新型コロナウイルス感染症が改善しても1割以上に後遺症が

日本国内外でも新型コロナウイルス感染症の治療薬などが登場しており、重症化を防ぎながら改善を目指すことができるようになってきています。

治療薬の登場によって、死亡などのリスクを下げることができるようになっていますが、治療薬を用いたとしても13%近い割合の方に、後遺症の症状が現れています。
特に、後遺症の中でも知覚障害(味覚障害や嗅覚障害)が多い結果となっており、日常生活の上で大きな支障に繋がる可能性も十分に考えられます。

嗅覚や味覚に障害が合われると匂いや味がしなくなるため、食事による満足度などもなくなり、食べたくても食べれなくなってしまうなんて言うことにつながる可能性もあります。

嗅覚については、仕事上で重要になるケース(ソムリエ、調香師など)もあるため、コロナで仕事に支障が出た上に、後遺症でも仕事が満足に行えなくなるなんて言うことも十分にあるわけです。

実際にアメリカなどでは、この後遺症によって働けない方の数が非常に多くなっているという情報もあります。
詳細はこちら

新型コロナが治ったとしても13%近い方が、改善後も後遺症に悩まされ続けることになるため、まずは新型コロナウイルス感染症に感染しないように注意していくことが何よりも重要です。

感染の予防と共に適切な治療のための対策を

新型コロナウイルスウイルス感染症の対策として、最も重要になるのが基本的な感染予防対策です。
これだけでも、感染するリスクを大きく下げることができるため、心掛けるようにしましょう。
しかし、予防対策も完璧なものではないため、感染リスクを完全にゼロにすることはできません。

だからこそ、予防の対策を行いながら、感染してもすぐに対応できるように治療薬などを常備して備えておき、速やかに治療にあたることが大切です。