新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの効果は?
京都大学の茅野大志氏らによって新型コロナウイルス感染症のワクチン接種によってどの程度、コロナへの感染を抑えて、死亡者数を減らしたのかについて報告がオンライン版Lancet誌に2022年8月11日公開されました。
こちらのページでは、公開された記事を元にどの程度のワクチンがどの程度の効果があったのかについて紹介していきます。
実際のコロナ症例数と死亡例を元に算出したデータ
こちらの報告は2021年3月3日から11月30日までに、「HER-SYS(新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理支援システム)」に登録された新型コロナ感染確定数と、2021年3月24日から11月30日までの新型コロナ関連の死亡データを抽出し、ワクチン接種率に関する情報は「VRS(ワクチン接種記録システム)」と「V-SYS(ワクチン接種円滑化システム)」からデータを抽出しています。
ふたつのワクチン接種システムから抽出したデータを統合した結果
2021年11月30日までに1回以上のワクチン接種をした方の割合は
となっています。
こちらのワクチン接種率データと感染数などのデータを元に、ワクチンがどの程度感染者数や死亡者を減らしたのかを算出したとのことです。
データから予防効果を算出した結果
前項で紹介した感染数や死亡例のデータとワクチン接種率データから実際に予防効果を算出した結果
という結果になっています。
ワクチン接種が2万人以上の方が新型コロナウイルスの感染を予防したというデータとなりました。
全体でみると男性で27万人、女性で29万人、併せて56万人もの方がワクチンによってコロナ感染を免れているという結果となっているのです。
また、死亡を防いだ数を算出したデータはこちら
死亡を防いだ数に関しても男性全体で1万人、女性全体で7千人もの数となっており、高い予防効果があったと考えられています。
また、ワクチン接種回数別でのデータについては
1回だけ接種した場合
2回摂取した場合
となっています。
感染及び死亡どちらについても、1回だけの接種に対して、2回目の接種を適切に受けた方の方が、より高い予防効果があったというのがわかります。
ワクチン接種によって予防した割合は?
前項で提示した算出データの結果から、新型コロナウイルスの感染者数を33%、死亡者数67%減らしたと推定しています。
データを収集した期間は、現在流行しているオミクロン株のひとつ前に流行したデルタ株が主流だったタイミングではありますが、ワクチンを接種によって新型コロナの蔓延を予防するのにワクチンが非常に役立ったと考えられます。
現在はオミクロン株が流行していますが、それでもワクチン接種による効果には十分に期待できるため、少しでも新型コロナウイルス感染症のリスクを下げたいと考えている場合には、適切に摂取するようにしましょう。